【レースレポ(日本代表ジュニア)】『ツール・ド・DMZ(8/30-9/3)』日本ジュニアチームがチーム総合2位&個人総合4位(山田)の快挙。津田も攻めに攻め切って総合9位。

Kenichi Yamazaki2019/09/08(日) - 11:41 に投稿

■写真↑:最終ステージ後の表彰台。日本ジュニアがチーム総合2位の大健闘。

レースカテゴリー名

ツール・ド・DMZ
UCI JUNIOR NATIONS CUP 2019 Tour de DMZ

期間・日程

大会期間:2019年8月30日(金)~9月3日(火)


開催地

韓国北部DMZ(=非武装地帯)周辺

【結果/リザルト】

<第1ステージ:79km>

8月30日から韓国と北朝鮮の国境付近で開催される韓国ジュニアネイションズカップTour de DMZがスタートした。今年はアメリカ、カザフスタンなどの強豪ナショナルチームのほかアジアの多くのナショナルチーム、直近のヨーロッパの1クラスで個人総合上位に複数名入れたオランダクラブチームWILLEBRORD WIL VOORUIT(WWV)、アメリカやオーストラリアのクラブチーム、韓国の高校チームなど計21チーム120名がスタートした。日本ナショナルチームは津田悠義、山田拓海、北宅柊麻、川崎三織、大河内将泰、湯浅博貴の6選手で挑む。今回ナショナルチームはスプリンターがいないため、逃げによる各ステージ優勝と個人総合上位を狙う。日本からはナショナルチームのほかに神奈川、京都、福岡、熊本の高校生選手によるチームJAPAN CYCLING ACADEMYが参戦する。

Stage1は北朝鮮との国境のGOSEONGをスタートしてレース中盤に3.5kmの2級山岳の登りをこなしてINJEでゴールする79kmで争われた。登りは勾配がキツいところは少なく集団が大きく分断されるほどではないが、日本チームはこの登り区間で動き、集団を小さくしてからの勝負を目指した。ニュートラル区間で湯浅が落車し、ニュートラル解除直後の集団でアタック合戦が始まる中で津田がパンクする。トラブルが続いたがなんとか集団復帰しこの日の勝負所の登りに入る。登り区間前に優勝候補のオランダWWVのKROON Jolisが逃げ30秒弱の差をつける。集団では細かなアタックが繰り返され、3.5kmの登り区間の中盤から集団は小さくなる。ペースを上げた集団がKROON Jolisを吸収し、7月のネイションズカップツールドラビティビでステージ2勝をしたアメリカナショナルチームのBOURGOYNE Lucasのアタックに川崎ら3名が反応し、山頂前に川崎が抜け出し1位通過して山岳ジャージを手に入れる。その後の下りで小さくなった集団がいくつか合流し30名ほどの集団となる。日本ナショナルチームからは川崎、山田、湯浅、大河内、津田の5名が残り、大会NO.1スプリンターを擁するオランダWWVチームとローテーションを回して後続を引き離す。このステージはそのまま30名強での集団スプリントとなりWWVのエーススプリンターKOOU Olavが制した。日本チームは大河内の6位が最上位であった。
明日のstage2は長い登りはないものの前半からアップダウンが続くコースで、日本チームは少人数で逃げてステージ優勝を狙う。<レポート by JCF柿木孝之強化コーチ>

■第1ステージリザルト:
1 KOOU Olav(WILLEBRORD WIL VOORUIT) 2時間5分37秒
6 大河内将泰(日本)同タイム
11 湯浅博貴 (日本)同タイム
12 山田拓海(日本)同タイム
15 川崎三織(日本)同タイム
17 津田悠義(日本)同タイム※パンクからの復帰の際のレギュレーション違反で+20秒のペナルティを受ける
67 北宅柊麻(日本)3分16秒差

<津田悠義のコメント(第1ステージ)>
「スタート前の自分の考えとして各山岳ポイントの前、スプリントポイントの前はペース
が上がる&落車が起こりやすくなると考え、各ポイントの5キロ前からは必ず前にいる
ことを決めていました。事前に調べていた強力選手を含めまた10人以上のグループが前
に行った場合は集団分裂と判断し、足を使ってでも追いつこうと考えてスタートしまし
た。
最初は5.5キロ地点に山岳ポイントがあるためすぐに前へ上がり安全な場所で展開し、
そのあとに8人の逃げが決まりイギリスを中心に集団をコントロールしていたため自分
は次の展開に備えて前々で展開を心掛けました。その後はところどころアタックがあり
ましたが決定的な逃げは決まらず、約75キロ走ったところで小周回に入り、小周回残り
3周のところで逃げ集団を捕まえました。そのタイミングはカウンターアタックが起こ
り逃げが決まりやすいタイミングだと考えていたので前にいましたが力がなくその逃げ
に反応するも中切れのような感じでちぎれてしまいました。その後は落車で減った40人
ほどの集団のスプリントで38位でゴールしました。」

<第2ステージ:113km>

Stage2はINJEからHWACHEONまでの113kmで争われた。40km過ぎの山岳賞のかかった登りまでは1km未満の登りが複数回続くアップダウンコースで、ここでカザフスタンらの数名の逃げが出来るが、個人総合リーダーを擁するオランダのWWVがコントロールして進む。山岳賞前に複数名の逃げが出来るが、山岳ポイント手前から津田、湯浅らが山岳リーダーの川崎を引き上げ逃げていた選手を全て吸収する。川崎はスプリントで2位通過して山岳リーダーをキープする。この登り区間で集団はいくつかに分かれたが、下り区間と平坦区間で多くの選手が集団復帰する。50kmあたりから津田がアメリカのWエースのBOURGOYNE LucasとMCLAIN Loganと3名で逃げる。30秒以上の差がついたがリーダーチームのWWVが全員でまとまり牽き続ける。力のある先頭の3名は全開でローテーションを回しタイム差をキープするがWWVも15km以上かけて危険な逃げを潰す。その後の緩やかな丘や平坦で個人総合に関係のない選手らが逃げるが、ゴールまで25kmの登り区間で津田のサポートを受けた山田が9名の逃げに入る。メイン集団のWWVは粘るがアシスト選手が力尽き、リーダー自らが集団を引っ張るが20秒から30秒差が詰められない。先頭集団の山田その後の登り区間でさらに攻撃をかけるが集団分断には至らない。そのまま先頭集団は逃げ切り、山田のステージ優勝に期待がかかったが7月のネイションズカップツールドラビティビでステージ2勝したBOURGOYNE Lucasが優勝した。山田は最初にスプリントを開始したが3名にまくられ4位となった。それでもこの逃げのおかげで山田を個人総合5位まで上げることが出来た。この日は津田を含む3名の逃げによりリーダーチームを苦しめたことで山田を含む決定的な先頭集団を作ることが出来た。
明日のstage3は130kmのコースで山岳賞のかかった登りがあるものの短く勾配もないため、日本チームはレース状況をうまく利用して逃げを作って山田の個人総合アップ、川崎の山岳ジャージのキープ、そしてステージ優勝を狙う。<レポート by JCF柿木孝之強化コーチ>

■第2ステージリザルト:
<個人>
1 BOURGOYNE Lucas  (アメリカ):2時間36分4秒
2 KRUNSEN Jeite  (WWV):同タイム
3 MCNEIL Aldan  (ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING)同タイム
4 山田拓海(日本)同タイム
16大河内将泰(日本)39秒差
33川崎三織(日本)同タイム
36津田悠義(日本)同タイム
51湯浅博貴  (日本)同タイム
78北宅柊麻(日本)10分1秒差

<総合>
1 BOURGOYNE Lucas(アメリカ):4時間29分16秒
2 KRUNSEN Jeite(WWV):4秒差
3 MCNEIL Aldan (ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING)6秒差
4 山田拓海(日本)10秒差
10大河内将泰(日本)49秒差
15川崎三織(日本) 同タイム
22湯浅博貴  (日本) 同タイム
25津田悠義(日本) 同タイム
78北宅柊麻(日本) 13分27秒差

<津田悠義のコメント(第2ステージ)>
「 今日はのステージは43.1キロ地点にkomがありその後は下り基調があり約85キロ地点
ら厳しい上りがあるためそこでの展開がポイントになると考えてました。また、自分は
前日にレギュレーション違反により総合タイムにプラス20秒のペナルティタイムを取ら
れてしまった為komでの川崎選手のアシスト総合上位の山田さん含む他選手のアシスト
を考えてスタートしました。
43.1キロのkomまではアタック合戦がおき最初は日本チームも交互に反応し山岳ポイン
トに絡んでる選手は逃がさないようにする、しかしkom前にタイミング良く抜け出した
カザフスタンを含む逃げを許してしまった。そのためkom開始ともに全開で牽引し逃げ
を捕まえた所でもう1人のアシスト選手に変わる。なんとか2位通過しkomを守れました
komでバラけるもその後の下り基調の区間でひとつの集団に戻り自分はアタック合戦
に加わり途中でアメリカのwエースと共に3人の逃げを成功させる。そこで考えたのはリ
ーダーチームのオランダは逃げに乗っていないためかなりの有力選手2人と全開で回し
逃げは30分程で吸収されたがオランダにダメージを与えれたと思う。85キロ地点の登り
では足に来ていた為ただ山田選手を引き上げるだけで終わってしまったが約10人の先行
グループに山田選手を入れることが出来た。逃げでのダメージがあったのがオランダ選
手は1人しか入れず後ろの集団に残されたオランダの4選手がアタックを繰り返すが山田
選手以外の選手でチェックする形で集団ゴールしました。
この日はkomで逃げを逃してしまったのでそこは反省しなければ行けないと思いました
。また、85キロ地点のの後の上りでもかなりきつかったが無理にでもついて行けばその
後のコース的にゴールまでは行けたと思うのでアシストという形だったがもっと頭を使
うべきでした。」

<第3ステージ:128.7km>

Stage3はHWACHEONからYEONCHEONまでの128.7kmで争われた。途中山岳賞のかかった登りがあるが、そこからゴールまでは80km以上の平坦コースのため集団スプリントになることが予想された。

スタートしてすぐに個人総合リーダーを擁するアメリカチームがコントロールする。日本チームは砂の浮いた危険個所区間前に全員で隊列を組んで安全にクリアする。数名の逃げが起こるが登り口までには集団は一つの状態で進む。登りに入ると山岳ジャージをキープするために川崎を良い位置でスプリントさせるために湯浅、津田が先頭に出てペースをキープする。山岳争いのスプリントでは山岳ポイントで2位のアメリカのMCNEIL Aldanに先着を許し川崎は2位通過する。合計のポイントが同点となり山岳ジャージを奪われる。集団はこの登り区間で3つに分かれる。日本チームは登り口でパンクにより遅れた北宅を除き5名が先頭に入りペースを上げるが、下りと平坦で後続の多くの選手は集団に復帰し、登り区間で遅れたアメリカのアシスト選手らも戻ってくる。そこからはオランダが攻撃をかけ、日本チームも川崎、津田、大河内、湯浅、山田、下りでメイン集団に復帰した北宅も攻撃をかけるがなかなか効果的な逃げにはならない。残り30kmあたりで津田が抜け出し、追走してきた地元の韓国選手と逃げる。個人総合で少し遅れているためチャンスはあるようにみえたが、アメリカチームがオーストラリアのクラブチームと共同で強力に集団牽引をして45秒以上は広がらない。津田はラスト10kmをきって一人になってもあきらめずに攻撃したが集団に吸収される。そのまま集団スプリントとなりstage1を制したオランダのWWVチームのKOOU Olavが圧勝した。スプリンターのいない日本チームは集団スプリントでは厳しく大河内の15位が最上位であった。昨日好走したJAPAN CYCLING ACADEMYの川野がこの日も集団スプリントで5位に入り存在感を示した。

Stage1、2と調子の悪かった北宅も動きが良くなりチーム全体の連携もステージを重ねるごとに良くなってきている。山岳ジャージは同ポイントながら奪われてしまったが、stage5の3級山岳ポイントではチャレンジして奪還を狙う。Stage4は登り区間がほとんどないスプリンター向きのコースであるが、山田の個人総合を守りながら逃げによるステージ優勝を狙っていく。<レポート by JCF柿木孝之強化コーチ>

■第3ステージリザルト:
<個人>
1 KOOU Olav (WILLEBRORD WIL VOORUIT)    3時間00分28秒
2 KURITS JOONAS (フィンランドナショナルチーム※国籍はエストニアの選手)同タイム
3 SLAMZHANOV Orken(カザフスタン)          同タイム
15大河内将泰(日本)同タイム
16川崎三織(日本) 同タイム
21山田拓海(日本) 同タイム
29 湯浅博貴(日本) 同タイム
44津田悠義(日本) 同タイム
78北宅柊麻(日本) 同タイム

<総合>
1 BOURGOYNE Lucas(アメリカ)        7時間29分44秒
2 KRUNSEN Jeite(WWV)            4秒差
3 MCNEIL Aldan (ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING)6秒差
5山田拓海(日本) 10秒差
11大河内将泰(日本)49秒差
13川崎三織(日本) 同タイム
18 湯浅博貴(日本) 同タイム
25津田悠義(日本) 1分9秒差
70北宅柊麻(日本) 13分27秒差

<津田悠義のコメント(第3ステージ)>
「 この日はスタートしてすぐ10キロ地点に厳しい上り。43.9キロ地点にkomがあり、その
後は下り基調のままゴールするというレースだったのでkomでの川崎選手のポイント獲
得。山田さん選手のアシスト、合わゆくばkom後の下り基調の皆が疲れて来たところで
の逃げ出し優勝を目指しスタートしました。
スタートしてすぐの上りは上り口で位置取り争いがあるも日本チームはまとまって上り
に入り難なくクリアしその後の危険なコーナーもトレインを組み安全作でレースを進め
る。komの上りでは自分は川崎選手と同得点のアメリカ選手より前でkom通過することを
考え走り集団は他選手に牽引してもらった。しかしアメリカの選手が強く自分は付けず
に川崎選手をさして1位通過されてしまった。しかしすぐ気持ちを切り替え山田選手の
ことを考えレース後半に備えた。下ってすぐ集団はひとつにまとまりアタック合戦にそ
こには日本チームもチェックに入り、総合上位選手を逃さないようにする。自分は最初
はまだみんな足がありすげ捕まってしまうと考え最初は反応だけにし事前に頭に入れて
いた90キロ地点からの小高い丘。100キロ地点からの小高い丘の後に集団が緩んだとこ
ろで仕掛けることを考えレースを進めて行く。90キロ地点の後に集団が緩んだので行き
良いよく行くと1人の選手が反応し2人に逃げに成功した。後ろはリーダーチームのアメ
リカがコントロールすると思い、アメリカのアシスト選手に足を使わせること。合わゆ
くば逃げ切り優勝を、考え全開で踏みました。残り10キロで40秒でしたがその後に一気
にタイム差が縮まってしまいラスト6キロで吸収されてしまいました。その後は山田選
手のアシストに切りかえ残り500mで集団の10番ほどまで引きあげ集団の後ろでゴールし
ました。
この日はアメリカのkomに絡んでる選手を、させて入れば川崎選手のkomを守れていたの
でもっと力を付けたいと思いました。また、残り6キロで吸収された後もっと日本チー
ムでトレインを組めば山田選手を10番以内送り込めたのではないかと考えているので反
応し次に繋げて行きたいです。」

<第4ステージ:102.8km>

■写真↑:津田と山田を含む逃げの先頭集団。

Stage4はYEONCHEONからソウルに近いGIMPOにゴールするほぼ平坦の102.8kmで争われた。
個人総合リーダーを擁するアメリカチームや集団スプリントで圧倒的な力をみせるWWVチームなどのコントロールで進むと思われたが、レース前半からアタック合戦となり日本チームにも大きな攻撃のチャンスが生まれる展開となる。川崎が20km過ぎでパンクするが、津田のサポートもあり集団復帰する。アタック合戦により北宅を含む11名の逃げが決まる。個人総合で12秒差の6位の選手も含まれていたのでタイム差を広げられ過ぎないようにアメリカが高速で牽引する。40km過ぎで1分20秒近くまでタイム差がついたが55kmでは集団が吸収する。その直後に大河内のアタックから続けて津田が抜け出すと個人総合リーダーを含む有力選手の逃げが出来る。ここに日本チームのエース山田も入り15名の先頭集団を形成して一気に集団を引き離す。日本は2名、WWVが4名、アメリカ2名、カザフスタン2名入ったこの逃げには個人総合5位までの選手全員含まれ、山田も後半のアタック合戦、またはボーナスタイム獲得により個人総合のジャンプアップの可能性もありローテーションを回していく。ラスト15kmでメイン集団とは1分45秒差となり先頭集団での勝負となった。先頭集団に4名入れたWWZが有利な展開でラスト15kmをきってから攻撃をかけてくるが、日本チームは津田と山田がしっかり連携して不利な状況にならないようにレースを進める。ラスト8kmではそれまで先行した2名に山田がカザフスタンを連れてブリッジをかけるが、個人総合で10秒しか遅れていない山田を逃してはくれない。アタックが頻発する中、個人総合で遅れているカザフスタン2名と個人総合で4位のフィンランドのVAINIO Veetiが3名でスルスルと抜け出す。オランダが4名まだ残っていたこともあり、一瞬躊躇した集団を引き離してそのまま3名が逃げ切りカザフスタンチャンピオンのZHAPARULY Bauyrzhanがゴールを制した。山田は4秒遅れの集団の3番手で6位となった。

この日は予想と異なり非常に激しいレースとなったが、日本チームは連携して決定的な逃げに確実に個人総合5位の山田を送り込んだ。最後はステージ3位までがもらえるボーナスタイム獲得、または先頭集団からの抜け出しはかなわず個人総合成績をあげられなかったが、津田とともに攻撃的な走りを見せた。津田はこの日の走りで個人総合10位まで上がった。先頭3名ではVAINIOがステージ2位に入り、4秒のタイム差とボーナスタイムによりアメリカのBOURGOYNE Lucasと同タイムとなり個人総合ジャージを着ることとなった。

最終ステージのstage5はアップダウンコースであり、個人総合上位陣が大きく入れ替わるようなアタックがたびたび起こることが予想される。日本チームは山田の個人総合を守りながらも、チャンスを見つけて攻撃して山田の個人総合のジャンプアップを狙う。<レポート by JCF柿木孝之強化コーチ>

■第4ステージリザルト:
<個人>
1 ZHAPARULY Bauyrzhan(カザフスタン) 2時間10分7秒
2 VAINIO Veeti(フィンランド) 同タイム
3 DOSTIYEV Ilkhan(カザフスタン) 同タイム
6山田拓海(日本) 4秒差
14津田悠義(日本)同タイム
27大河内将泰(日本)2分44秒差
29川崎三織(日本) 同タイム
37湯浅博貴(日本) 同タイム
51北宅柊麻(日本) 同タイム

<総合>
1 VAINIO Veeti(フィンランド)     9時間39分55秒
2 BOURGOYNE Lucas(アメリカ)       同タイム
3KRUNSEN Jeite(WWV)            4秒差
5山田拓海(日本) 10秒差
10津田悠義(日本) 1分9秒差
14大河内将泰(日本)3分29秒差
16川崎三織(日本)同タイム
19 湯浅博貴(日本) 同タイム
69北宅柊麻(日本) 16分7秒差

<津田悠義のコメント(第4ステージ)>
「この日はほぼ平坦で途中軽い上りが3ヶ所あるだけの102キロのレースでした。スタート
前はリーダーチームであるアメリカのアシストを潰すこと逃げに乗り遅れないこと山田
選手のアシスト、合わゆくば自分の逃げ切り優勝を考えてスタートした。
スタートしてすぐアタック合戦になり日本チームは山田さん選手以外の選手でチェック
していくしかし30キロ地点程で総合でも逆転の可能性、kom獲得の可能性のある川崎選
手がパンクしてしまったため後ろに下がり集団に引き上げるその後に総合上位選手を含
む逃げが決まり1分以上に広がりリーダーチームのアメリカのアシストが塊逃げを追う
形にそのすぐ後ろに自分と他選手、エースの山田選手でまとまりその逃げが吸収された
後の展開がチャンスだと考え話し合い吸収された後のカウンターアタックは誰もが考え
るので1回軽く他選手にアタックしてもらいその後に自分がアタックするということを
話し自分にアタックに総合リーダーの選手の他見事なまでに総合上位選手が反応しそこ
にエースの山田さん選手も反応してくれたため皆選手意思疎通しあい、全開でローテー
ションを回す、一気にメイン集団とはタイムが開きその後の展開を考えるまずはオラン
ダ選手が4人アメリカがリーダー選手と2人、他選手総合上位選手がいる中でオランダが
圧倒的有利と考え残り距離が少なくなってからのオランダのアタックに注意しながらレ
ースは進みました。残り15キロ地点からオランダのアタック決まり一時は先行するも
まりその後はアタック合戦で最終的には3人の選手が逃げ切り4秒後に自分と山田選手を
含め残りの8人程の集団でゴールしました。
この日は逃げまでは自分達でしっかりとコミュニケーションを取り思った通りの展開に
出来たが最後のアタック合戦ではもっと頭を使って最後の3人になんとか山田さん選手
を送り込むべきでした。しっかりレースを振り返り次同じ展開が起きたらしっかり有利
に戦えるようにしたいです。」

<第5ステージ:87㎞>

Stage5はGANGHWA島を1周する87kmのアップダウンコースで争われた。

個人総合で上位5選手が10秒以内におり、チーム力で抜きんでていないフィンランドチームが個人総合リーダーのため、激しいレースになることが予想された。また山岳ポイントで1位と同点で2位の川崎がこの日逆転するためには50km過ぎにある3級山岳で4位までに与えられるポイントをとらねばならないが、そのためには山岳ポイントまで日本チームがコントロールする必要があった。この日の日本チームは山岳賞より山田、津田の個人総合のより上位へのジャンプアップを優先することとした。

レースはスタートしてアタックがかかり続けるが、日本チームは北宅を中心に対応して中盤からのアップダウン区間に備える。山岳ポイント手前の1kmの登り区間で山田がアタックをかけるが、総合上位陣が逃さず追走をかけてくる。山岳ポイント後に3番手で下っていた山田の前の選手が段差にハンドルを取られて落車し巻き込まれてしまう。アタック合戦でペースが上がっている中で山田はパンク交換もして大きく遅れてしまったが、湯浅、北宅が山田のバイクが直るまで待ち集団を追いかける。大きく離されてしまった集団に3名であきらめずに回し続け65km地点で集団に復帰する。日本チームで攻撃をかける予定でいたアップダウン区間での山田のトラブルであったが、個人総合2位のアメリカの選手もここで落車してバイクトラブルに見舞われる。攻撃をかけなければならないチームの連続したトラブルで集団も落ち着き集団スプリントの雰囲気となる。そのままゴールまで集団は分裂せず、ラストはVVWチームがコントロールしてエーススプリンターのKOOU Olavが今大会ステージ3勝目を果たした。日本チームは大河内がステージ4位となったが、川崎と湯浅がゴール前での大きな落車に巻き込まれてしまった。

この日個人総合2位のアメリカのBOURGOYNE Lucasがラスト10kmの下りで再び落車してリタイアとなり、山田が個人総合で4位、津田が9位となった。5日間のステージで日本チームはまとまりをみせて団体総合でも2位となった。

今回の韓国ネイションズカップでは日ごとにチームの連携、攻撃力も向上し、勝ち逃げにしっかりエース選手を乗せ続けることが出来た。チームでしっかり助けあい危険な状況をカバーし、状況に応じて話し合い行動することが出来るようになりつつある。また今大会では個人総合上位の選手、山岳賞の選手を抱えることでよりレース全体でのチームの動き方、またプレッシャーとの向き合い方を身につける良い機会となった。次回のジュニア遠征は今月下旬の世界選手権となる。<レポート by JCF柿木孝之強化コーチ>

■第5ステージリザルト:
<個人>
1 KOOU Olav(WILLEBRORD WIL VOORUIT) 1時間56分24秒
2 REYNOLDS Tyler(ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING)同タイム
3 KURITS Joonas(フィンランド)同タイム
4大河内将泰(日本)同タイム
18津田悠義(日本)同タイム
34北宅柊麻(日本) 同タイム
64山田拓海(日本) 4秒差
65湯浅博貴(日本) 同タイム
72川崎三織(日本) 同タイム

<総合>
1 VAINIO Veeti(フィンランド) 11時間36分19秒
2 KRUNSEN Jeite(WILLEBRORD WIL VOORUIT) 4秒差
3 MCNEIL Aldan (ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING)  6秒差
4山田拓海(日本) 10秒差
9津田悠義(日本) 1分9秒差
13大河内将泰(日本)3分29秒差
18川崎三織(日本)同タイム
20湯浅博貴(日本) 同タイム
64北宅柊麻(日本) 16分7秒差

<津田悠義のコメント(第5ステージ)>
「この日は87キロのアップダウンのコースで途中長くはないもののパンチある上りが何個
かある為そこでの引き良いのあるアタックでの逃げおくれに注意しながら山田さん選手
の逆転総合アップ。自分も昨日の逃げでの総合10位でのスタートなので逃げ切り優勝
目指しスタート。また昨日の2位の選手がリーダー選手となりチーム力のあるアメリ
がコントロールする必要が無くなってしまいかなりハゲいアタック合戦が怒ることを予
想した。
スタートするとアメリカを中心にアタックが勃発する自分は総合上位の逃げには加わり
、それ以外は他選手に反応してもらった。しかし1番長い上りの後に山田さんが落車し
てしまう。自分はその上りの後でアタック合戦に加わり逃げを狙っていたが日本チーム
の選手が下がり山田選手を引き上げてるとのことを他選手から聞き、集団を抑える動き
をした。山田選手が追いついてからも細かいアタックはあるもすぐ吸収していたので集
団スプリントに向け備える。ラスト500mでとても大きな落車があるがなんとかさけ、ゴ
ールした。今回は山田選手が落車という大きなアクシデントがあったが日本チームで冷
静に対処出来と思いました。また、今回はこの遠征の前に大きく体調を、崩していたが
できることを全てし、なんとか普段の状態でレースに望めたので良かった。今回のこと
をしっかり振り返り今後のレースに繋げて行きたいです。」

【参考リンク】

<2019年「エキップアサダ(EQADS)」メンバー>