*写真↑:2002年生まれのホワン・アユーソは、2019年スペインジュニア王者&2020年欧州選手権ジュニア(8月28日開催)で7位に入った強豪。既に2021年からUCIワールドチーム『UAEチームエミレーツ』との5年契約を結んでいる次世代のスター候補だ。
レース&カテゴリー名
ギプスコア・クラシック(UCIジュニア1.1)
XXVI. Gipuzkoa Klasika
期間・日程
2020年8月30日(日)
開催地
ベアサイン(スペイン)
【結果/リザルト(115.2km)】
1位:Ayuso, Juan(Bathco/スペイン)2時間46分29秒
2位:Carrascosa, Pablo(Ciudad de Talavera/スペイン)トップから+14秒
3位:Azparren, Enekoitz(Euskadiko Selekzia/スペイン)トップから⁺31秒
7位:津田悠義(TEAM 31 JOLLY CYCLES/EQADS準所属)トップから+4分13秒
津田悠義によるレースレポ
今回は115キロの大周回小周回を使うコース。
1.5km程 x 5回の短いが勾配が平均8〜10%程度の登りがあり、場所によっては15%の勾配。
登りの後は全てテクニカル下りで、登りでできる差に加えて下りでも集団前方で降らないと、一気に中切れしてしまうコース。その上、今回は天候が土砂降りととてもサバイバルなレースになりました。
コースレイアウトは、スタートして最初は東の北東方向に下り基調に進んでから折り返し、その後大周回ショートカットを一周(1つ目の登り)。再び北東方向に進んで2つ目の登りを登り折り返し、小周回を1周。その中小周回に3つ目の登り。
最後に4~5の登りがある大周回。5つ目の登りを登って下ってゴールというレイアウト。
今回はとにかくリザルトだけを狙いに行きました。
3,4,5つ目の上りは順に86キロ地点 100キロ地点 109キロ地点と後半に詰め込まれており、かつ最初の2つ上りはそれ程きつくなくそれ以外も軽いアップダウン。
3つ目の86キロ地点の登りまでは極力足を溜めつつ、後半の3つの登りは必ず力で分裂すると予想できたため、それまでに上手いこと逃げに乗って前待ちすることを考えて走りました。
レースはヨーロッパにしては早い午前10時半にスタート。
最初の38キロ地点の登りまでは軽いアップダウンで、アタック合戦が起こるがすぐ吸収される。
しかし思ったよりもハイペースなままアタック合戦が続いたため、最初の登り前で集団が緩んで逃げが決まる考えた。
ポジション争いでストレスがあったが、常に前々をキープして展開。
予想通り30キロほど走った所で集団が緩んだのでアタックし、自分を含め7名の逃げを作ることに成功。
そのまま最初の38㎞地点の登りに入り、ストレスなく前待ちする感じで進んでいたが、メイン集団を昨年のホワン・アユーソ選手(19年スペイン王者。)が鬼引きして吸収。
そのまま20名ほどで下りを先行される。しかしそこから2つ目の登り(65キロ地点)までは下り基調だったので、すぐさま吸収も、そのカウンターで5名ほどの選手が先行してしまう。
すぐに追ったがタイミングが合わず追走失敗。
その後は何度かアタックがあったが追いつかず一気に差が開いてしまう。
ここはその後の展開も考え無理してでも追いつくべきだった。その後は強い選手を揃えてるチームが集団を牽引し、自分はすぐその後ろに備え2つ目の登りで追走する作戦で行く事に。
2つ目の登りに入った瞬間に全開でアタックすると、ホワン・アユーソ選手とその他足のある選手が反応し5名で抜け出す。
そしてさらにホワン・アユーソ選手がアタックし、自分を含めて3名の追走が決まる。しかしその登りの後の下りで落車してしまう。
その影響で、さらにその後ろの追走集団に入る事に。
この時点で、逃げ5名、追走2名(自分が本来乗っていた追走)、追走7名 メイン集団という展開に。
自分は7名の追走集団に下がってしまったが、レース中盤の65キロ地点の2つ目の登りから、次の登りまでの20キロほどは軽いアップダウンなので全員で回せば追いつくと考えた。
前の逃げに入ってるチームの選手が4人も自集団に居たため、実質3人でしか回せくなる。よって登り返しを使い全開でアタックし、1人がついてきて2名の逃げを形成、そして前の2名に追いついた。
そして先頭の逃げから1人がドロップし5名の追走になった。
この時点で逃げ4名、自分を入った追走5名、後ろはおそらくメイン集団。
ここにスペインチャンピオンのホワン・アユーソ選手がいてものすごい勢いで引いてくれたため、3つ目の上りの手前で先頭の逃げに合流し、自分を含む9名の逃げができた。
しかし3つ目の登りは1,5キロ平均8%だが、マックス15%あり、そこでホワン・アユーソ選手がアタック。
そこには反応出来ず6名の逃げを許してしまい、自分は取り残された3名の追走になってしまった。
そしてそのまま最後の大周回に入る。最終的に前の6名分裂していた。
自分を含めた3名の追走にメイン集団からおいついてきた2名を加え5名で追走。
しかし自分は落車してしまった恐怖から下で1人だけ大きく遅れてしまい、その後の区間で追いつくという無駄足を使ってしまう。
そのまま4つ目の登りに入りそこは強調し登っていくが、その後の下でまた遅れてましう。ものすごく怖かった。その後追いつくものの、後ろからチームカーが来て「メイン集団が20秒差で追っている!!」と言われそのまま最後の登りに突入。
登り始めとともに全開でアタックし、逃げからこぼれてきた1人をパスして同じ追走にいた選手と2名で抜け出す。
そして下って最後は最終コーナーでも恐怖感に勝てず。一緒に追走していた選手から大きく遅れてしまい、7位でゴール。
*写真:ホワン・アユーソの勝利シーン(動画からのキャプチャー画像の為、解像度が低く申し訳ございません)
最終的に終始圧倒的な力であったスペインチャンピオンのホワン・アユーソ選手が優勝し、4分もの差をつけられてしまった。
自分が目指して所に行くには最低でもその選手と同じ位置でゴールしなければいけないのに、とても悔しい結果に終わってしまいました。
現にこの選手は来年からワールドチームUAEと5年契約を結んでいるので、その選手と走れるチャンスを物に出来ず、何より落車という致命的なミスをしてしまった自分が許せません。
*写真:若干18歳でUCIワールドチーム「UAEチームエミレーツ」と長期5年契約(2021~2025)を結んだスペインのホワン・アユーソ。
しかし、来週(9月5&6日)は現在総合2位につけている「ツールドPACA」の第3&4戦があるので、この悔しさは絶対に忘れずプラス思考で、まずは怪我を治すことだけを考えて次のレースに備えます。
今後とも応援宜しくお願いします。