◇(↑写真)地元の有力チームBMCベジエの組織力にしてやられ、完敗を喫したEQADS。長川達哉(EQADS)が入賞するも勝利には届かない日々が続くが、レースの組み立てミスや、展開の読み間違えなど、選手達自身も敗戦の理由を明確に把握している。優勝した32歳のベテラン選手スティーブ・トゥブールは、かつて仏アマ最高峰カテゴリーDN1チームで走り、プロ入り直前まで行った強豪選手だ。
【EQADSレポ】勝利への壁を様々な角度から叩き続けるEQADS(9/4)
ロードレースの本場で外国人チームが勝つのは簡単ではないが、今回もその大きな壁を感じるレースとなった。しかしEQADS選手達も「レース中のどこ場面でそのようなミスを犯したのか?」を明白に把握しており、今後の勝利に向けては避けては通れないフェーズとも言える。欧州のレースシーズンも終わりに近づき、残されたレースは多くないが、勝利の予兆が漂うチームの士気は非常に高い。
レース基本情報
レース名:
9月4日:「グランプリ・カルカッソンヌ(GP CARCASSONNE GROUPAMA - LA FERRAUDIERE)」
カテゴリー:
FFC(フランス自転車競技連盟)2,3 & Junioir(=全カテゴリー)
開催地
カルカッソンヌ(フランス)
【リザルト】
9月4日(日)「グランプリ・カルカッソンヌ」80km(2 km x 40周)
1位:Steeve Touboul (フランス/BMC Béziers)1時間48分32秒
2位:Romain Arcengeli (フランス/AVC Aix)
3位:長川達哉(EQADS)
29位:馬場 慶三郎(EQADS)
30位:西本健三郎(EQADS)
完走:川崎三織(EQADS)
■浅田顕監督によるコメント
第2カテゴリーのレースは先週で終える予定であったが、課題を多く残している事、特に優勝できていない事から今週は補習を入れる事にした。今大会に賭けていた地元クラブチームBMC(Béziers Méditerranée Cyclisme)のチーム力と作戦に押されたようだが、どんな展開をしてもこのカテゴリーで3位という結果を評価することは難しい。チームだろうが単独だろうが、最後は力でねじ伏せ勝つ他に方法は無い。
今週末は久しぶりのエリートレース。力を試すためにも逃げに乗り、まずは最初の評価としてトップ10入りを果たして欲しい。
■長川達哉(EQADS)によるコメント
今回のコースは平坦で完璧に自分向きのコースでした。
今まで逃げ切りが多く今回のコースでも逃げが決まると考えレースに望みました。
またBMCチーム x5人、ブラニャックとエクサンプロヴァンスチームの選手をマークして走りました。
スタートしてすぐBMCと他チームがアタックして自分も加わりましたが、すぐメイン集団に吸収。しかしそこで1週間レース出ていなかったためか、今日は自身の調子が良い事を確信。
程なくして8人ほどの逃げ(BMCフランスマスターズ王者 ブラニャックなど)に自分も入ることができ、一定ペースで周回を重ね、集団とのタイム差は最大30秒。これは逃げ切りかと思ったのですが、集団のペースアップで吸収されてしまいました。その後も何度もアタックに反応しますが、決定打はなかったです。
レース中盤、残り20周程のフィニッシュラインを超えて川崎選手が単独で逃げ、その後3人それに加わり4人の逃げが形成。残り10周を切った時点で40秒差あったので、自分は逃げ集団を捕えた時のスプリントに備えることにしました。正直川崎選手が入る逃げは捕まらないと思っていたのですが、BMCの5人が前でトレインを組みペースアップし、残り7周程で吸収。その後はカウンターに気をつけながら前の方で展開し、残り5周のタイミングで川崎選手、馬場選手、自分の3人で先頭でトレインを組み良いペースで回っていたのですが、残り2周ほどで力尽きて集団に埋もれました。今考えると、あと2周ほど後に先頭に出れば最後もトレインを組んだままスプリントできたかと思います。
そしてBMC が4人でトレインを組み最終コーナ前のストレートに来た時、自分は右側に行ってしまい(詰まってしまった)そのタイミングでBMCとエックスの二人が先行。自分はすぐ後ろにつけず最終コーナーを8番手ほどで曲がり、3位まで順位を上げますが、その先の二人には追いつけず3位で終えました。
今回は逃げ全てにみんなで反応でき、カウンターも潰せたのでチーム力は上がっていると思います。ただトレインを組むタイミングであったり最終ラップに入る前でトレインを先頭で引いてしまい、最後スプリント時トレインを組めなかったりまだ足りていない部分もたくさんあると感じました。
また最後スプリントでラインを右ラインで行ってしまい、つけるはずの二人につけず最後のコーナーを曲がってしまうというスプリントでやってはいけないミスをしてしまいました。
もう少し自信を持って前に出ていたらラインを間違えずつけたかもしれないので、次はもう少し自信を持って望みたいと思います。
今回は前半からずっと動けていて特に有力選手が入った逃げに乗れたのは成長したと感じました。最後のスプリント以外は完璧だと感じましたが、スプリントでミスをすると絶対に勝てないので、しっかりと今回のレースを振り返り次のレースに繋げて行きます。ありがとうございました。
■馬場 慶三郎(EQADS)によるコメント
今回のレースは風が強く逃げ切られると予想してスタートした。スタート直後からアタック合戦が始まり自分も加わった。中々、逃げが決まらずレースが進み途中タイム差ができる逃げができた時には必ずチームメイトが乗っている状態が作れていた。終盤になり逃げが捕まり自分はカウンターを狙ってくる選手を徹底的にマークした。集団スプリントになると予想し残り5週あたりからトレインを組み完璧な状態だった。しかし組むのが少し速く最後の最後でバラけてしまい勝てなかった。内容が良かっただけにとても悔しかった。残り4戦しっかり戦って行きたい。
■川崎三織(EQADS)によるコメント
今日のレースは2km平坦を40周。短い周回でしたが、風の影響をかなり受けるコースでした。その風を上手く活かして勝ち逃げを作ろうと考えスタートしました。
レース中盤長川を含めた10人の逃げができ、40秒程まで開きました。その後ブラニャックやベジエ、エックスのチームからアタックして前に行こうとする動きが多く、捕まる様子だったため先頭付近にいた馬場と自分がカウンターを狙って待機していました。捕まって集団が緩まった瞬間に自分のカウンターアタックが成功してその後追いついた3人含めた4人の逃げが出来ました。タイム差もしっかり開いたので間違いなく勝ち逃げに乗ったと確信しましたが、逃げに乗れていなかったベジエのチームに全力で追ってこられたため終盤まで粘りましたが逃げきれませんでした。その後長川のスプリントに作戦を切りかえ長川を後ろにつけ全力で先頭を引いてちぎれました。
•勝つためにはどうするべきだったか
レース中に出来た有力の逃げには最低1人乗せられていたため、できることとすれば捕まってしまった後の動きが良くなかったと思いました。人数の多かったベジエのチームは有力な逃げをチームメイトを使ってフルで追いかけていたため、
ラストでスプリント体制にするためベジエがペースをあげたとしても4人で後ろで固まっていればラストでまくり長川を万全な状態でプッシュできたと思います。
◇(↑写真):完璧なレース展開を見せたBMCベジエチームメンバー。レースを全体に渡って支配し、文句のない勝利を挙げた。
【参考リンク】
<2022年「エキップアサダ/EQADS」レースカレンダー>
<2022年「エキップアサダ/EQADS」メンバー>