■写真↑:津田悠義が日本ジュニア・ナショナル・チャンピオン・ジャージを着用しながら「謎の勝利ポーズ」で今季4勝目を挙げる。まだジュニアカテゴリーでの勝利とはいえフランスでの知名度をアップさせ、近い将来のプロ入りの目標に向けて足場を着々と固める。2位のアントナン・スション、3位のグレゴリー・プヴローはそれぞれ仏ヴィエンヌ県代表、仏ジュニアのピスト競技で好成績を収める強豪選手。今後数年にわたって戦ってゆく相手となるだろう。
Photo: Jean François Quénet
レース&カテゴリー名
トロフェ・ド・ラ・ヴィル・ド・シャテルロー(ナショナル・ジュニア)
la 20e édition du Trophée de la Ville de Châtellerault
期間・日程
2020年3月8日(日)
開催地
シャテルロー(フランス)
【結果/リザルト(117km)】
1位:津田悠義(オートガロンヌ選抜U19/三好高校/EQADS準所属)2時間51分40秒 (平均時速41,03 km)
2位:SOUCHON Antonin(C.POITEVIN)
3位:POUVREAULT Gregory(V.C.SAINTAIS)トップから+10秒
<レース直後の津田悠義コメント>
フランス3戦目(個人TTを入れると4勝目)。ナショナルジュニアというカテゴリーのレースに参加してきました。11.7×10の117キロのレースでした。
3キロ地点から4キロほど道が細くなるその後は道が開けてゴールという周回でした。
1時間くらいで勝ち逃げが決まると思いましたが2時間ほどアタック合戦が続き、危ないと思ったのは自力で潰しに行き、あとは流れに乗って対応する形になりましたが、8週目の途中で桁違いの行き良いでアタックしていった選手に反応し、結果的にその逃げが4名の勝ち逃げになり、最後は3人になりそこからのスプリントで優勝出来ました。このカテゴリーは価値のある勝利だと思いますが世界選手権、UCIレースで戦うにはまだ力が足りないのでよく頭を使いトレーニングして行きます。今後とも応援よろしくお願いします。
<津田悠義によるフルレースレポ>
今回のレースは11.7×10の117kmのナショナルジュニアというフランス全土から集まるからなりハイレベルなレースでした。
まずは180人出走ということで後ろにいると、自らの足を削っていることになるので前々で展開することを心がけました。
スタートしてすぐは道が広く、約1キロほど緩くの上って1キロほど緩く下り。そこからはアップダウンで道が狭く、路面が悪い道を4キロほど走り、5キロほど緩下るコースレイアウトでした。
当日の風向きですが、最初の上りは右からの横風、細い道は左からの横風でラスト5㎞は向い風と横からの追い風という感じ。細い道での集団分裂に気を付けながら、そこでの抜け出しを心がけ、今までフランスで経験したレースを鑑みて、最初の1時間前後で決定的な逃げができると考えてスタートしました。
スタートしてすぐにアタック合戦になり、集団前方で展開していく。
まず組織的に動いてきてる有力チームが3チームあり、その3チームの選手全員が入った逃げはもちろん、その3チームの選手のうち、2チームの選手が入った場合の逃げは自ら足を使ってでも追いつく意識で展開。雨が降ってきてコーナーのたびに集団との距離が詰まってしまうため、スタート後1時間過ぎに一度決定的な自分を含む4人で決めましたが、集団につかまってしまいました。
幸いそのペースアップで集団の人数がかなり減っていたので、そのあとのアタック合戦には自分もタイミングを見て加わり、集団にダメージを与えて、逃げを決めやすくする動きをしました。
おそらく自分以外の選手も同じ思惑だった様で、有力選手も強力なアタックをしては吸収を繰り返していました。レース開始約2時間後、7週目の細い道の後半のほうで一人の選手がものすごい勢いでアタックしていったため、集団からは誰も反応できず。その選手は組織的に動ける3チームの内の選手ではなかったため、自分も無理に反応せずに容認。1人の逃げなので、そのあとの追走または有力チームのコントロールにより合流するだろうと予想。しかし有力チームの選手たちは2時間ほど続いたアタック合戦で足を使ったせいか、自分が思っているほど機能していなく、脚がある奴だけで追いつこうとする動きのみ。そうすると集団でついてくるため、結局アタック合戦状態に。
8周目に入った時点で、1人の選手がタイミングよくアタック。結局逃げ選手が2名になってしまい、残り周回が2周。集団の雰囲気を考えると2名に行かれてしまう可能性がかなり高いと判断。そこで道が細くなったところで全開でアタックし、追走をかけると一人の選手がついてきて来ました。9週目に入る直前で一緒に追走した選手を離し、3名の勝ち逃げに乗ることができました。
そのままの2周に突入。
1周目は普通に走り、ついにラスト1周に入りました。単純にスプリントしてもかなわないと思ったため、周回に入ってすぐの上りでアタック。しかし自分もかなり脚に来ていてアタックとはいえる速度にはならず、追い付かれてしまう。ここまでは想定内でしたが、その後に道が細くなったとこで集団から一人で追いあげてきた選手が先頭に加わり逃げは4名。一人で追いついてきただけあり、もうつぶれているか、脚があるかのどっちかだと思いましたが、脚のあるほうの選手でした。彼はそのままアタックしていき、1人の逃げ&3名の追走に。
自分は細い道の軽い上り区間でアタックし先頭に合流、その後にもう一人追いついてきて、最後は3人でラスト2キロを通過。自分はもうスプリント勝負で割り切り、極力脚を使わず待機。集団から追いついてきた選手をマークし、最後はスプリントで優勝できました。
Photo: Jean François Quénet